星上くんはどうかしている、に思う太陽と月の逆転劇

以前ご紹介したアサダニッキ先生の作品に「星上くんはどうかしている」というのがある。講談社コミックス全5巻完結。

星上くんはどうかしている(全5巻)
完全無欠の学園の王子様、星上求(もとむ)。彼には双子の兄、星上望(のぞむ)がいるが求とは違い、いつもぼっちでダメ上と呼ばれいた。三毛野いさりはある日先生から風紀委員に任命される、男子委員の望がいさりを指名したのだった。望は誰とでも仲良くなれるクラスメイトのいさりを見ていて、友達になりたかった。望といさりが仲良くなると優等生の求が2人の仲を邪魔しはじめて…。 出典元:モクアイ

太古の昔から少女漫画の王道というのは、太陽のように明るい男子と月のように影のある男子に溺愛され、揺れ動くのが大前提で醍醐味。

王家の紋章」でいうならメンフィスvsイズミル王子!

少年王メンフィス

エジプトの少年王メンフィス、口癖は「ういやつめ」

現代の娘キャロル(富豪)

現代の娘キャロル(富豪)、特技は看病と怪我の手当て

ヒッタイト王国のストーカー・イズミル王子

隣国ヒッタイト王国のイズミル王子(ストーカー)、口癖は「おおイシュタルよ」

ガラスの仮面」でいうなら桜小路優vs速水真澄、

次世代のナンバーワン俳優・桜小路優

次世代のナンバーワン俳優・桜小路優、女の子の扱いにたけたリア充

千の仮面を持つ少女・北島マヤ

千の仮面を持つ少女・北島マヤ、基本才能の塊で努力も惜しまない

冷徹仕事虫・速水真澄

冷徹仕事虫・速水真澄、婚約者の癇癪で身動き取れない

摩利と新吾」でいうなら新吾vs摩利(あれ?中央がいない!)、

左が摩利・右がおひさま新吾

左が摩利・右がおひさま新吾

エロイカより愛をこめて」でいうなら伯爵vs少佐(あれ?中央がいない!)、

左が伯爵・右が少佐

左が美術品泥棒「エロイカ」“ドリアン・レッド・グローリア伯爵”・右が「鉄のクラウス」“クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐”

はいからさんが通る」でいうなら少尉vs蘭丸&冬星。

左上から青江冬星、伊集院忍、花村紅緒、北小路環、藤枝蘭丸、黒い狼(鬼島森吾)

左上から青江冬星、伊集院忍、花村紅緒、北小路環、藤枝蘭丸、黒い狼(鬼島森吾)

ちょっと時代をすすめて「円舞曲は白いドレスで」でいうならサジットvs将臣、

左から青樹湖都、鬼堂院将臣、ウィリアム・サジット・アスター

左から青樹湖都、鬼堂院将臣、ウィリアム・サジット・アスター(軍服マニアにはたまらないお)

天は赤い河のほとり」でいうならラムセスvsカイル、「花より男子」でいうなら道明寺vs花沢類、「NANA」でいうならノブvsタクミ。近年の作品になると「ちはやふる」でいうなら太一vs新、「360°マテリアル」でいうなら丸井vs滝、「ヒロイン失格」でいうなら弘光vs利太、「うそカノ」でいうなら和久井vs入谷。

あああ!走馬灯のようにいろいろな少女漫画が駆け抜ける!時間がいくらあっても足りないよ!

以下ネタバレあります。


「星上くんはどうかしている」の求(弟)と望(兄)は求が太陽で望が月かと思われたけど、求は大好きな家族とまた一緒に過ごせるようになるためにいい子を演じていただけだった。そして再び望と一緒に暮らせるようになってからは望を誰にも取られないよう孤立させていたが、途中から優等生の仮面が外れていく。求が演じていた理想のいい子は望そのもの、本人を前に演じることができなくなっていったのだ。そして求はようやく本来の自分へと戻ることができたのだった。

と、いうわけで太陽と月が入れ替わっちゃった!これはなかなか見ないタイプのストーリーかと思います。人間が入れ替わる話ならエドガー・アラン・ポーの「ウィリアム・ウィルソン」とか木原敏江先生の「影に愛された男」とか、古典のドッペルゲンガー入れ替わり作品であったり、ほかには焼死体がでてくる殺人事件で見てるような気もするけれど…🤔。

なんというか、恋愛話だけでなく求がアイデンティティを確立する物語でした。それらのキーワードは解放と再会。ちなみにモクアイは総じて月に惹かれる傾向があります、総じてといっても本当は8割くらいです。たいてい横恋慕して煩悶している方です。